松本さやか個展
MATSUMOTO Sayaka solo exhibition

フシアナの目
incomplete eyes

2022年3月1日(火)から6日(日)
12:00から18:00

KUNST ARZT では、3年振り4度目となる
松本さやかの個展を開催します。
松本さやかは、彼女の心の中に存在する
“生きた山”を表現し続けるアーティストです。
本展は、ガラスをエングレービングする
「factシリーズ」(2017-)と、白いモデリングペーストで
白いパネルに凹凸をつける「camouflageシリーズ」
(2021-)の作品で構成します。
約10年近く、全くブレることなのないスタンスからは、
アミニズム以上の何かを感じてもらえると思います。
ご注目ください。
(KUNST ARZT 岡本光博)


展覧会コンセプト
「フシアナの目」

見つめた先のものは何を伝えているのだろう。
上辺だけではわからない、ものごとの真意や現実。

わたしたちの目はいつも何かを捉えながらも、
その物事の奥までは掴めません。
作品から伝わるイメージは、見た人それぞれに違う印象を与え、
そしてそれは作者の意図とは離れたところで
新しい解釈を生み出します。

何が正しいのかではなく、どう捉えられるのか。
わかったような、わからないような感覚が、
さらに視覚の奥へと引き込みます。
「真意を捉えられない目」と
「曖昧にしか伝えられない表現」だからこそ、
だれかの心に響くものになるのだと思いたい。

わたしの曖昧な表現は受け取り手を、
時には自分自身をも混乱させながら日々続いています。
それぞれのフシアナな目に届くことで、
曖昧が仮説に変わり、ひとつの表現へと繋がればと考えます。


PRESS RELEASE


MATSUMOTO Sayaka (b.1991, Hyogo pre.,
lives and works in Kansai) is an artist
who imagines living mountains without any reference.
She uses copperplate prints, needle drawings on glass,
and drawings on paper.
She earned her master's degree in a printing course
at Kyoto Seika University.




gunung-camouflage#4
2022
木パネル モデリングペースト アクリル絵の具
1303×970mm (F60)



アーティストステートメント

人はどんな時、どんなものに心を引かれるのだろう。
わたしは、人の心がはっとする感覚や、
その瞬間に興味があります。
「圧倒的な何か」に出会ったとき、
わたしは気圧され、その何かに吸い込まれたような
感覚を覚えます。それは一瞬のうちに動きを封じ、
呼吸も忘れ、目が離せなくなってしまう。
言葉で表現をするのは難しいけれど、
確かに存在する、不思議な感覚です。
そしてこの心を震わせる感覚は、
いつも作品をつくる原点となっています。
わたしはその場・その物から放たれる雰囲気や
イメージを捉えようとします。
そこに溜まる空気感や、有るようでないアウトラインは、
わたしの心を惹き付けると同時に違和感を覚えさせます。
目には見えないけれど感じるもの、
目に見えている気がするのにないもの。
これらはとても矛盾だらけで曖昧なものだけれど、
「感覚」という言葉を介して存在しています。
このアーティストステートメントもとに、
「gunung」シリーズを作り続けています。



「gunung」シリーズについて

わたしは山を見つめると言葉にし難い、
様々な感情に駆られます。
それは尊さや恐怖感、奇妙さ、
凛々しい姿への憧れなど、
全く統一のされていない、
様々なことが交錯した感情です。

このような感覚を覚えるのは、
わたしが山を「風景」ではなく、
「生き物」として捉えているからです。
時間をかけて変容していく様は、
山の大きな呼吸のようで、
この呼吸こそ山の生きている証のように思えます。
「gunung」(グヌン)とはインドネシア語で
「山」という意味です。
わたしはこの言葉を聞いた時に、
山の鼓動音や呼吸の様な、
「山の生きている音」を表しているという
印象を受けました。
そしてそのイメージは、
山を生き物として捉える私の作品と
繋がっていると考えています。

 わたしの描く山は存在しない、空想の山です。
日々イマジネーションの山を捉えるという
行為を繰り返し、自身の感覚から生まれる
「現実には存在しない山」に呼吸と
エネルギーを刻み込みます。
また、その山を概念的に描くことで
空想上のものであることを伝えると同時に、
「風景」ではなく、「生き物」として山を
表現できればと考えています。




gunung-camouflage#10
2022
木パネル モデリングペースト アクリル絵の具
410×606 mm (M12)




gunung-fact#13,14,15
2022
ガラス
400×400mm each




以上、
個展「フシアナの目」(2022)より




gunung #37
2019
コンテ ハーネミューレ、
85x65cm




gunung -fact#7-
2019
ガラス、90x70cm



以上、個展 「utopia」(2019)
by OFFEICE MURA PHOTO






gunung - unconditional transition #7 -
2017





gunung - stroke #6-
2016




以上、個展 「2つの意識」(2017)






gunung #5
2014
銅版画; ハーネミューレ 油性インク



以上、個展 「gunung」(2015)




経歴


1991年 兵庫県生まれ
2016年 京都精華大学大学院 博士前期課程芸術研究科 
芸術専攻 版画領域 修了

個展
2015年「gunung」 KUNST ARZT 京都
2016年「STROKE」 ギャラリーいのくま亭 京都
2017年「2つの意識-unstable consciousness-」 KUNST ARZT
2017年「in fact,」Midnight Sun 大阪
2019年「utopia」 KUNSTARZT
2022年「フシアナの目」 KUNSTARZT

主なグループ展ほか
2018年 映画「きらきら眼鏡」舞台美術品として
2019-2020年 巡回展「timelake 2019」 大阪 札幌 高松 東京
2020年「京都府新鋭選抜展 」 京都文化博物館
2021年 2人展「alt・to -交わる延長線-」 SAVE AREA 埼玉
2021年「空白の果て」 亀岡商工会館 京都






gunung-camouflage#7
2022
木パネル モデリングペースト 
アクリル絵の具
44×36.5×3cm
\ 28,500

gunung -drawing#4-
2019
鉛筆 ハーネミューレ、
42x34cm
シート: \ 18,000
額込み: \ 21,000

gunung #34
ハーネミューレ
油性インク
ed.1
\32,000
\40,000(額込み)

gunung - stroke #9-
2017

\20,000




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