r#92
non digest

1999
DVD



non digest

ニュース番組などでよく見られるダイジェストは、凝縮した刺激的な内容が連続し、
飽きることが無いが、それに慣らされることによって失うものは無いのだろうか?
この映像作品は、ある大相撲の取り組みの「戦い」の部分以外を延々とリピートするものである。
「清めの塩を撒き、腰を落として向かい合う」行為の連続。即ち、伝統的な儀式の重要な部分であり、
ダイジェストではカットされる部分である。
ダイジェスト映像が溢れる現代、我々の文化もまたダイジェストされていくのかもしれない。

(週刊金曜日2007年6月15日号より 連載「珈琲破壊」070)