ST#262 ゾシガヤ・カジマヤ Zoshigaya Kajimaya digital print on canvas. 2005 |
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ゾシガヤ・カジマヤ・プロジェクト」は、 以下のの2箇所で展開しました。 1.雑司が谷旧宣教師館 2005年5月20日(金)〜6月4日(土) 「第1回目白通りアート・プロジェクト」 2.沖縄こども未来ゾーン・ワンダーミュージアム 6月8日(水)〜6月22日(金) 「Peace Project Power of Art」 |
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雑司が谷は、江戸時代に風車で有名であった場所であり、 その風車は喜多川歌麿の版画にも描かれています。 (参考図a、1の展覧会ではその複製版画も展示しました) その「風車」ゆかりの場所で、美濃ちどりさん企画で、 「風車」をテーマとした展覧会が行なわれることになり、 私も参加することになりました(展覧会チラシPDF)。 沖縄暮らし半年といえど、沖縄の様々な文化や風習に興味を魅かれていた私は、 その「風車の地」でカジマヤー(風車祭り)を行なうことにし、 「ゾシガヤ・カジマヤ・プロジェクト」(以下、ZKP)を立ち上げました。 雑司が谷で数え97歳のお年寄りを探し出し、紅型の着物を羽織ってもらい、 片手に沖縄の風車、もう一方に雑司が谷の風車(復元)を持ってもらい、 記念撮影をするというものです。 目白通りアート・プロジェクトのスタッフ水野慶子さん作成のチラシ(PDF)配布、 また役所、老人ホームなどを通して探しましたが、 当地域では該当者に出会うことが出来ませんでした。 そこで東京エリアにまで範囲を広げ、ようやく、 同スタッフとして手伝ってくださっていた望月良枝様の紹介で 、2005年度、数え年97歳になる須賀野チイさんに出会うことが出来、 ZKP参加への了承を得ました。 「人生が97年で一周し、子供に戻る」というカジマヤーの考え方は、 須賀野チイさんのつぶらな瞳とピュアな心によって、うなずかされました。 ZKPでは当初、お祝い、及びその人の人生を紹介する計画でしたが 、嬉しいことに須賀野チイさんは現役彫刻家でもあり、 彼女の作品そのものに彼女の生き様が投影されており、 両会場とも彼女の作品を紹介することにしました。 1の会場では彼女の息子さんである塚原琢哉氏が撮影した写真2点を展示、 当会場ではビデオ「愛と祈りのかたち」を上映しました。 ちなみに1の会場の雑司が谷旧宣教師館は2005年で99歳の建物です。 2の会場での展示は、私の平面作品「ST#262 ゾシガヤ・カジマヤ」と 、会場いっぱいに吊り下げた100個の紙風船から構成されました (ワンダーミュージアムのスタッフが頑張ってくれました)。 この紙風船は、沖縄のこどもたちにと須賀野チイさん自らが用意し、 吊り下げるアイデアも、チイさん本人が希望されたものです。 この紙風船は22日まで展示し、慰霊の日である23日に、 ご来場のみなさんにプレゼントしました。 ヤマトのおばあちゃんからの紙風船に託した平和へのメッセージが、 一人でも多くの子供たちの心に届くことを祈って。 岡本光博 2005年7月1日 沖縄にて |
参考図a 喜多川歌麿 雑司ヶ谷の風車が描かれた作品 |
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< 協力 > 塚原操様(ストライプハウスギャラリー) 塚原琢哉様 水野慶子様 望月良枝様 目白アートプロジェクトの皆様 雑司が谷旧宣教師館 中西さん(手製紙風船の提供) ワンダーミュージアムのスタッフの皆様 |
雑司が谷旧宣教師館での会場風景 (撮影 宮島径) |
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望月良枝さんから、 「須賀野チイさまは天寿を全うされ、2012年1月14日102歳の生涯を閉じられました」 とのお知らせを頂きました。 心よりご冥福をお祈りします。岡本光博 |
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Zoshigaya Kajimaya Project The project was held at two places. 1. Zoshigaya Missionary Museum, Tokyo, May 20 to June 4, 2005 2. Wonder Museum, Okinawa, June 8 to 22, 2005 Zoshigaya is a small town in Tokyo and it is famous of an original windmill folk toy. The site-specific contemporary art show 'The Heisei Pinwheels in Zoshigaya Renaissance' was held in there, 2005. The theme was 'Windmill'. In Okinawa, when people those who reaches at age 97, his or her family and the neighbors celebrate as if he or her were newly born. The old baby has to be put on Okinawan traditional 'Bingata' wear with carrying a windmill. And they parades through the village. The custom is called "Kajimaya". Kazimaya is a theory that the life of human ends at age 97, and it will restart from the first. At the project, I started to search for 97 years old person in Tokyo. Fortunately I found out Ms. Sugano Chii. She is a sculptor. I celebrated her 'Kajimaya' in Zoshigaya. In my picture, she puts on 'Bingata' with both of Zoshigaya style windmill and Okinawan windmill in her hands. The body of her art is peace, so I collaborated with her at the second exhibition in Okinawa. We entrusted 100 paper balloons with a wish to peace. Okamoto Mitsuhiro, 2005 OKAMOTO Mitsuhiro English translation: KIBUKAWA Ei (eitoeiko) I heard Ms. Sugano died in January, 2012, at age 102. I would like to offer my deepest sympathies. |
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ワンダーミュージアムでの展示 須賀野チイさん直筆の沖縄のこどもたちへの手紙 と雑司ヶ谷旧宣教師館(中西さん作製)から頂いた手製紙風船) 6月23日(沖縄慰霊の日)の会場風景 (撮影 鉢嶺渚) |
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2005年10月21ー23日 「第7回遠州横須賀街道ちっちゃな文化展」 掛川市横須賀街道 ギャラリーsensenchiからの出品として、沖縄での展示が再現されました。 |
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月刊あいだ115号 (2005年7月20日)に 望月良枝さんによる「須賀野チイさんとの出会い」が掲載され、 当プロジェクトの紹介をして下さいました |