OKAMOTO Mitsuhiro Pottery works
あまざら amazara / rainy plate

“水たまり”をやきものにする。
水たまりは雨と大地(アスファルトであろうとも)との関係で生まれる。
自然の造形をそのまま石膏でうつしとり、やきものにする。



ST#402
あまざら
rainy plate

「水たまり」を型どりした陶器皿、金彩
ceramic, gold glaze mold into puddle

300×245×47 mm




ST#387
あまざら
rainy plate
rp1-1
「水たまり」を型どりした陶器皿、金彩/ceramic, gold glaze mold into puddle
425×382×48 mm

ST#403
あまざら
rainy plate
rp6-1
「水たまり」を型どりした陶器皿、金彩/ceramic, gold glaze mold into puddle
767×240×65 mm




ST#393
あまざら
rainy plate
rp2-3
「水たまり」を型どりした陶器皿、金彩/ceramic, gold glaze mold into puddle
220×140×10 mm

ST#397
あまざら
rainy plate
rp4-1
「水たまり」を型どりした陶器皿、金彩/ceramic, gold glaze mold into puddle
363×236×42 mm

ST#405
あまざら
rainy plate
rp7-1
「水たまり」を型どりした陶器皿、金彩/ceramic, gold glaze mold into puddle
293×211×30 mm




ST#395
あまざら
rainy plate
rp3-2
「水たまり」を型どりした陶器皿、金彩/ceramic, gold glaze mold into puddle
305×265×22 mm

ST#402
あまざら
rainy plate
rp5-3
「水たまり」を型どりした陶器皿、金彩/ceramic, gold glaze mold into puddle
300×245×47 mm




ST#407
あまざら
rainy plate
rp8-1
「水たまり」を型どりした陶器皿、金彩/ceramic, gold glaze mold into puddle
294×157×23 mm

ST#409
あまざら
rainy plate
rp9-1
「水たまり」を型どりした陶器皿、金彩/ceramic, gold glaze mold into puddle
288×225×35 mm

ST#411
あまざら
rainy plate
rp10-1
「水たまり」を型どりした陶器皿、金彩/ceramic, gold glaze mold into puddle
639×452×57 mm



    2016
信楽まちなか芸術祭
「信楽物語」
(滋賀)
Shigaraki Machinaka Art Festival
Shiga
2016
Art Obulist「急げ」
大府市勤労文化会館 (愛知)
Art Obulist,
Obu Kinrou Cultural hall /Aichi 
2017
個展「あまざら」
日本橋三越本店 アートスポット (東京)
AMZARA / rainy plates,
Mitsukoshi Nihonbashi Art Spot




岡本光博「あまざら」考

雨後の水たまりを石膏で固めて写し取り、粘土に置き換え金彩色の技法を用いて焼成する。
岡本光博がはじめて手がけた陶芸作品を一言で解説すればそういうことになる。
近年、「陶芸」は大きなブームとなっているが、土という自然/大地を素材とするオブジェが
流行のロハス的なライフスタイルにぴたりとはまること、各地で無数に開かれる「クラフトイベント」が
作り手の発表の機会を広げたことなどがその後押しとなっているのだろう
。しかし、北から南までどのイベントでも同じような作品がずらりと並び、
作り手の態度と受け手の意識(生活)はむしろ没個性的で均質化されてきているように思えてならない。
一方、コンテンポラリーアートからの「陶芸」に対するアプローチも近年活発になっているが、
それらは近現代に強固な権威と化した「芸術としての陶芸」へのカウンターとして機能する。
そもそも陶芸は自然素材と手業による偶像であるため、人の力を超越したところにある詩的な
言語や「呪術性」、「神秘性」といったキーワードをもってよく語られてきたが、
いわゆる陶芸家ではない現代作家の多くは、そうしたアウラをごっそりはぎとり、
古来より連綿と続く伝統的な「造形」につらなる現代の表現を模索し、
両者の接続を試みようとしているのだ。
岡本の本作にもそうした「現代」の日本文化における陶芸のありようが示されているが、
さらにそこには没個性、反技巧、決定、反復、型、平凡といった民藝ほんらいの要素を備えた
作為のない美が提示されており、形骸化した「民藝」へのアンチテーゼとしても活きてくる。
自然が生み出す形にぴたりと寄り添い、一切の作為なきフォルムとマチエールが金彩によって
極限まで引き出されたその造形美は見る者の心をいつまでも捉えて離さない。
「器」というものの起源を考察するコンセプチュアルな作品であると同時に、
「趣味」を超えたところで生活と伝統と美が融合する極めて純度の高いオブジェと言えるだろう。


青森県立美術館 工藤健志









w#257
キンつぎ
KINtsugi

2016-2020
600×300×300 mm
金継ぎした信楽狸のキンタマの陶片62枚、
狸肌釉、酸化緑ビードロ釉、鉄砂釉、黒色釉(還元)
62 Pottery pieces of testicles of Shigaraki's raccoon dog ornament, Kintsugi

pedestal / woodbox: 665×400×420 mm


キンつぎ

「焼き損じたり、廃棄した信楽狸のキンタマ部分を窯元から譲り受け、
金継によって巨大な二つの球体がつながったオブジェを制作する」

2016年信楽陶芸の森でのレジデンスの話を頂いた際に、最初に提案したプラン。
しかし、「キンタマでもパテント(特許)がある」とのことで許可が下りず(*)、
当時は「あまざら」を制作するが、諦めきれずに、
結局、信楽駅前や屋外にある信楽狸のキンタマを直接型どりしたものから、
6角形や5角形のキンタマの陶片を作成し、金継して制作。
制作にあたっては、信楽陶芸の森のスタッフさんたちの協力を得て、
信楽狸に使われている土、「狸肌釉」などの釉薬を使用。

また型どりをしている記録写真や
日の丸を持って、昭和天皇を迎えている写真
(このことがきっかけで、日本全国に信楽狸が置かれるようになったらしい)を
参考資料的に「キンつぎ」とセットで展示した。

*いずれ、協力していただける窯元の協力を得られれば、超巨大な「キンつぎ」を制作したい。






photo by office mura photo