nekonekoRieko in KUNST ARZT






























VvK Programm 15 TAKAGI Tomohiro & KIMURA Ryoko curation 髙木智広 & 木村了子キュレーション「neko neko Rieko」京都展 2016年4月23日（土）から5月1日（日） 12:00から18:00 (月曜日休み) 荒木晋太郎 / ARAKI Shintaro 石黒昭 / ISHIGURO Akira 礒谷権太郎 / ISOTANI Kentaro 笠原出 / KASAHARA Izuru 加藤遼子 / KATO Ryoko 鴨下容子 / KAMOSHITA Yoko 木村了子 / KIMURA Ryoko 櫻井りえこ / SAKURAI Rieko 関本幸治 / SEKIMOTO Koji 髙木智広 / TAKAGI Tomohiro 玉野大介 / TAMANO Daisuke　中田いくみ / NAKADA Ikumi 中村協子 / NAKAMURA Kyoko 長沢郁美 / NAGASAWA Ikumi 成瀬ノンノウ / NARUSE Nonnow 藤井健仁 / FUJII Takehito 松山賢 / MATSUYAMA Ken 宮崎勇次郎 / MIYAZAKI Yujiro 湯真藤子 / YUMA Touko 横野健一 / YOKONO Kenichi 吉田和夏 / YOSHIDA Waka
KUNST ARZTでは、VvK（アーティストキュレーション）の15回目として、髙木智広と木村了子キュレーションによる「neko neko Rieko」展を開催します。 2015年7月に画家、櫻井りえこさんが他界されました。本展では、生前彼女と交流のあったアーティスト22人による彼女が愛した猫をテーマにした作品を通して、スピリチュアルな交感の場を作り上げます。ご注目頂ければ幸いです。（KUNSTARZT 岡本光博）
2015年7月、惜しくも38歳の若さで他界された画家　櫻井りえこさんを偲ぶ美術作家たちが集まり、彼女が愛した猫をテーマとした展覧会を開催いたします。櫻井りえこという唯一無二の画家のことをより多くの方に知って頂きたいという思いと共に、作品同士で対話を行い、ここに追悼の意を表したいと思います。猫が好きな方もそうでない方もぜひご高覧頂ければ幸いです。 (髙木智広 & 木村了子)




荒木晋太郎 ARAKI Shintaro くさむらとねこ 2016 パネルにアクリル \ 70,000 装飾的な、空想の生き物を描いています。 1978　長崎県生まれ 2002　東京学芸大学教育学研究科造形美術分野修了　現在、京都を拠点に活動 2012「浮雲のパントマイム」大阪／GALLERY wks. 2012「がらもんず」京都／Spiner's　 2013「がらもんずvol.2」京都／cotoha

石黒昭　 ISHIGURO Akira ヒーロー願望 Desire to be a Hero 2016 Acrylic and urethane on resin not for sale 　自分を強く見せるためのヒーローのマスクは子供の憧れであり、マスクの中は謎に包まれている。一方で社会の権力は時に不都合な真実を隠蔽するためにヒーローを作り出す。表層に覆われた真理とはなにか、を問いかける作品です。 1974　神奈川県横浜市生現在、埼玉県を拠点に活動 2014 「Identity X」　nca \| nichido contemporary art　東京 2013 「Femme Fatale」　Shun Art Gallery　上海 2010 「ISHIGURO-YA」　nca \| nichido contemporary art　東京

礒谷権太郎 ISOTANI Kentaro 2016 A4用紙にインクジェットプリント、額縁　￥ 50,000 each これまで礒谷は即興的な崇拝物ともいえるような彫刻を創作してきた。それらは、私たちが何の変哲もない路を進むことを邪魔する。私たちに冒涜の言葉を吐かせ、口を悪くさせ、他人に向かって中指を立てたり、展覧会場で誰かをひっぱたくように誘惑する。また、映画的／演劇的リアリティが我々の生活に介入し、その敷居を分別不可能なものにする。 1975　鳥取県生 2000　金沢美術工芸大学大学院　彫刻科修了　現在、東京を拠点に活動 2014 “FRANTIC End of The Year Show”, Frantic Gallery,　東京 2014 “2014 FRANTIC UNDERLINES”, Frantic Gallery,　東京 2009 "Keep Smiling! God Loves Idiots! The figures of critical grin in the art of Kentaro Isotani", art project frantic, 東京

笠原出　 KASAHARA Izuru Fluffy Limbo / Chat de Fou 01 2016 キャンバスに油彩、箔　￥ 100,000 1995年頃から「笑い」というそのものの意味や行為、またそこから新たに派生する存在とは？という自分自身への問いかけから作品を制作しています。 1969　静岡県浜松市生 1994　東京藝術大学美術研究科修士課程漆芸専攻修了　現在、横浜市にて制作 2015　「ふわりんぼ」フォーラム・アート・ショップ・ギャラリー　東京 2009　「かくれんぼ」Art Center Ongoing　東京 2001　「FLUFFY FLUFFY」ミヅマアートギャラリー　東京

加藤遼子 KATO Ryoko 彼方の猫 2016 キャンバスにアクリル　￥ 200,000 環境と人の変化について考えながら描いています。 1982　千葉県生 2005　東京工芸大学デザイン科卒　現在、東京、大阪で主に活動 2006　個展「水銀氷山暦」 2008　「カカメ」 2012　「画賊の東京みやげ」等

鴨下容子　　　 KAMOSHITA Yoko 不眠知らず 2016 紙、インク　 \ 50,000 描いているものはすべて風景画です。風景画で人の内側で静かに大きく動くものを抽象的に描いています。観るその時々で観方が変わっていたら良いなと思います。 1982　東京都生 2004　阿佐ヶ谷美術専門学校絵画科卒業　現在、東京を拠点に活動 2009　「望遠鏡と顕微鏡」　unseal contemporary 2011　「目を瞑らずにできること」　unseal contemporary 2015 　DAEGU ARTFAIR　特別交流展示


木村了子 KIMURA Ryoko 上：猫図 - モフらせて Cat boy 2016 和紙に着彩 \ 30,000 下：猫鮫人魚図 2016 和紙に着彩 \ 30,000 伝統的な日本画の技法で「美人画」という古くから親しまれたカテゴリーの逆転的発想により、現代美男子（俗称イケメン）像を、女性目線でファンタジックに描き続けている。 1971 京都生 1997　東京芸術大学大学院修士課程壁画専攻修了　現在、東京を拠点に活動 2014　個展「Beaute Animale de L’Hmme ?花鳥風月美男」（Galerie Vanessa Rau　パリ） 2014　個展「化身 ?Be your animal」（TORAUMARIS 東京） 2014　「仮想のコミュニティ・アジア」黄金町バザール2014 （横浜トリエンナーレ関連企画）



櫻井りえこ SAKURAI Rieko 上：　金魚のぱちんこ　pinball with goldfish 2009 キャンバスに油彩　中： head to head 2010 キャンバスに油彩　下：　 Fu-suke　 2015　キャンバスに油彩　猫のヒゲ作者自身が体感してきた事象を元に、シェイプド・キャンバスの上に無垢さや可愛らしさと、不安や情念や攻撃性を併せ持った少女を描き続けた。 1977　茨城県水戸市生 1999　名古屋芸術大学美術学部絵画科卒業 2007「wandering about in the dusk」ギャラリーアンシール、日本橋 2009「ANIMAMIX」MOCA Taipei、台北、台湾 2011「Future Pass - From Asia to the World」　イタリア、ベネチア


関本幸治 SEKIMOTO Koji 上：モデル歩きする夢遊病の猫 The Catwalking Sleepwalker 2004 Lambda C-type Print 額　シート作品代　￥98,000　+　額装費　\ 12,000　額装込　\ 110,000 下：卓上を彷徨う子猫　Kitty Wanders on the Desktop 2005 Lambda C-type Print 額シート作品代　￥68,400　+　額装費　\ 12,000　額装込　\ 80,400 写真という素材を使って、虚構と事実との微妙な間にある新しい次元を表現。被写体、服や背景を作り、過去の記憶や無意識下に隠された感情を写し撮った作品にします。 1969 神戸生 1992 愛知県立芸術大学修了後渡独　現在横浜にスタジオを構え国内外で制作活動中　 2014 東アジアの夢：Landmark Project V ,BankART Studio NYK,横浜、 2012-13 アジア・セレンディピティ / スペイン・マドリッド / フェルナン・ゴメス劇場他巡回、　 2011 黄金町バザール高架下新スタジオ他、横浜

髙木智広　 TAKAGI Tomohiro Reincarnation　　 2016　キャンバスに油彩 oil on canvas　￥190,000 （額込）自然と人間、生と死、夢と現実、神と悪魔など相反するものの境界を具体化した作品を制作。 1972　岐阜生 1992 武蔵野美術大学　短期大学部美術科卒後渡仏　現在、京都在住　東京、台北などアジアを中心に活動 2012 第１５回岡本太郎現代芸術賞展　川崎市岡本太郎美術館（川崎） 2013 個展「空鳥-NUE-」C-スクエア　中京大学（名古屋） 2015 個展「伊邪那美-IZANAMI-」　ヴァニラ画廊（東京）

玉野大介 TAMANO Daisuke　のら猫　 2016　キャンバスに油彩 sold 文化人類学的な　あるいは文化人類学者が資料を眺め妄想するようなモチーフとの関係を模索している。 1961　大阪生 1985　早稲田大学法学部中退　現在、東京を拠点に活動 2008　市場大介企画「ジャパンパラノイア展」　ルモントアンレア/パリ 2009　個展　unseal contemporary/日本橋 2010 個展　unseal contemporary

中田いくみ NAKADA Ikumi 金目銀目　Odd-eyed　 2016 oil and pencil on paper sold 羞恥や嫌悪を描く時、しばしばこどもの姿を借ります。他者や社会との関わりを考える源流のように思えます。 1982　埼玉県さいたま市生 2007　バンタンデザイン研究所（イラストレーション専攻）卒業現在、東京、台湾　　その他、漫画の寄稿、芸術集団「画賊」などで活動 2014　個展「Goodbye, phantom ‐ さようなら、亡霊ちゃん」台北 ELSA ART GALLERY 2014　個展「In The Toy Box 」ポートランド Hellion Gallery 2015　Shanghai Art Fair Emerging Artists Exhibitionに作品2点が選出

中村協子 NAKAMURA Kyoko ロマネスク・メイド・猫ムスメ 2016　リネンに刺繍、アンティーク額 \ 22,000 （額代込み）既成のイメージを集めて組み直したり並べたりして作品を作ってきました。これからも延々と続くであろう孤独な一人遊びが誰かの心に届くことを願って制作しております。 1974 　宮城県生 2000 京都市立芸術大学美術学部油画専攻卒業現在、関西を拠点に活動 2015 個展　アートスペース虹（京都） 2010 個展　eN arts（京都） 2008 個展　アートスペース虹（京都）


長沢郁美 NAGASAWA Ikumi 上：ねこのワンピース　 2016　キャンバスにアクリル \ 60,000 下：雨だけど外に出よう　 2016　キャンバスにアクリル \ 120,000 日常の中で感じる、小さなもやもや。静かな水面に、一粒の水滴がぽちょんと落ちるような、穏やかなざわざわ感。ささやかで柔らかな気持ち。などについて。 1980 東京生　 2006 女子美術大学大学院美術研究科洋画専攻修了　　現在、東京を拠点に活動 2013 個展「抱きしめてあげる」　office339(上海) 2010 個展「Flutter」　The Foundry Gallery(中国、上海) 2010 個展「I can fly」　東急本店美術画廊

成瀬ノンノウ NARUSE Nonnow 花水木 2016 和紙にアクリル、泥ガッシュ￥60,000 美しいものを記録するために描いています。富山生、川崎在住。関東を主に活動している。 2016 個展「ビ生物」（アートコンプレックスセンター） 2015 神宮前二丁目奇譚第二集「諸国民話」（ペーターズギャラリー） 2014 個展「嵐を待ち侘びて」（アートコンプレックスセンター）

藤井健仁 FUJII Takehito untitled #9 2013 iron \ 54,000 鉄＋人形の組み合わせ。現代美術の枠外にある単なる趣味的制作と映るかもしれない。だがその二つの要素が人類史で入れ替わった新旧社会の中核をなすもの (人形のルーツは呪物、神像等、民俗学的資料) であることを考慮するなら、それこそが素朴な視点といえる。 1967 愛知県名古屋市　生まれ 1990 日本大学芸術学部卒現在、名古屋在住 2005　第八回岡本太郎記念現代芸術大賞展、川崎市岡本太郎美術館 2007　[City_net Asia 2007] 、ソウル市立美術館、韓国 2014 太郎賞の作家2 、川崎市岡本太郎美術館

松山賢 MATSUYAMA Ken いきものカード（ハーイプシィ） / Creature Card (Hi Pussy) 2015 油彩、キャンバス oil on canvas 53.0×45.5cm \ 172,800 「いきものカード」はいろいろな動物のポートレイトのシリーズです。ハーイプシィという猫の着ぐるみ状の動物とプシィを出しているひとのカードです。岩手県生まれ京都市立芸術大学大学院修了　現在、横浜市在住 2014-2015「美少女の美術史」展、青森県立美術館、静岡県立美術館、島根県立石見美術館


宮崎勇次郎 MIYAZAKI Yujiro 上：バームクーヘン　 2016　キャンバスにアクリル　 \ 38,000 下： ICE CAT　 2016 紙に鉛筆　 \ 15,000 現実と虚構の狭間にあるパレレルワールドから、人間と自然の在り方などを問いかける世界を制作。 1977 大分県生 2001　東京造形大学美術Ⅰ類卒業　現在、東京、関東を拠点に活動 2013 ワンダフルマイアート「高橋コレクション展」山梨県河口湖美術館 2015「アートで見る南総里見八犬伝」展　千葉県金谷美術館 2015 おおいたトイレンナーレ　大分県二代目与一

湯真藤子　 YUMA Touko ドジっ子☆メイドだにゃ “ flivver maid cafe ” 2016 pencil drawing ￥100,000 + マット装、額価格￥8,000（税込）私は童話や神話を主軸に制作する事が多々あります。物語には随所に人間の根源的な部分が散りばめられ、抽象的な概念を動物になぞらえて表される事も多く「人間は動物の中の一つである」と再認識します。時にはコミカルに、時には哀愁を、意識下で共感してもらえる様な作品を作れたら良いなと思います。 1973 東京都生 1997 東京芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻修　現在、関東を拠点に活動 2015 個展「かわいそうなねこ」 2015 グループ展「Evolution-2015-」

横野健一 YOKONO Kenichi Three cats 2016 シナベニヤ MDF アクリルペイント \ 350,000 木版画の版木に鮮やかな赤の着彩を施し、視覚だけではなく触覚にも訴える作品を制作しています。 1972 石川県金沢市生 1997 金沢美術工芸大学芸術学専攻卒　現在、石川県金沢市在住 2014 個展「The New Suburbs」マークムーアギャラリー　カルバーシティー 2015 個展「横野健一展世界をポップに!! ポップアート in アメリカ特集展示」　高崎市美術館旧井上房一郎邸　群馬



吉田和夏　 YOSHIDA Waka 緑: 猫に会える夢ピンク: 猫に会える夢黄: 猫に会える夢アクリル絵の具　￥ 22,000each いきものがそれなりに眩しく滑稽にいきる姿を描き、ニセモノの鉱物を作り、披露しています。作る中で、いかに遊べるか探究しています。 1983 岩手県生 2006 埼玉大学教育学部美術専修卒業　現在、Gallery MoMo所属　芸術集団「画賊」の一員として活動 2014 第17回　岡本太郎現代芸術賞（川崎市岡本太郎美術館/神奈川） 2014 個展「strange loop」（Gallery MoMo　Ryogoku/東京） 2015 個展　「汽水域」（Gallery MoMo projects/東京）
アーティスト紹介のテキストは髙木智広による東京展　みうらじろうギャラリー　 http://jiromiuragallery.com/　 2016年　6月1日（水）-7日（火）

絵画の猫――櫻井りえこのために前田裕哉目を大きく見開いた少女が観る者をも威嚇するかのように描かれた、不穏さに満ちた絵――そのようなモティーフとイメージが多くの作品において横溢している櫻井りえこの絵を前にしたとき、観者は絵の中の少女たちが多かれ少なかれデフォルメされた表現で描かれていながら複雑で激しい感情的起伏をともなって描かれていることに、驚きと怖れの念を抱くことになるだろう。彼女の絵の魅力は、このようにデフォルメ化された形象と複雑な感情的起伏の表現という相反する二つの要素が、一枚の絵の中で、どちらの要素もスポイルされることなく、独特な形で両立していることである。そして、いったい何が彼女の作品におけるこの両立を可能にしているのかを考えるとき、私たちは「かわいい」という言葉に行き着くことになるだろう。　「かわいい」という言葉が ――もともとの形容詞としての意味や用法をはるかに超えて―― 現代日本の様々な表現分野におけるある種の潮流を象徴するキーワードのようになり、国外にも広がりつつあると言われ続けて久しいが、そのような語りと相即的な現象として、（主にティーンエイジの）女性たちがこの言葉を、ほとんど濫用と言ってもいいほどに、様々な場面で様々なものに対して使用しているという光景をあげることができるだろう。例えば女子中高生の一団がおもちゃやぬいぐるみなどに対して「かわいい」と言って盛り上がっているのと対照的に、周りの大人たちが彼女たちはあれの何がかわいいのだろうかと疑念を抱くという光景は既に当たり前のものとなっているが、そのような光景において「かわいい」という言葉はある二重性を帯びたものとして使われていると見ることができるだろう。一つはもともとの形容詞としての、もう一つは不気味なものや見慣れないものになんとか折り合いをつけようとする行為に対する符牒＝ある種の動詞としての。そして櫻井りえこの作品において遂行されているのもまた、後者の意味での「かわいい」にほかならない。　ところで、近年のSNSの隆盛もあいまって、画像や動画がコミュニケーションツールとして利用される機会が以前に比べて格段に増えている中、そのように使用される画像や動画において（マンガ的なキャラクターの絵やアニメと並んで）猫が特権的なモティーフの一つとなっていることは、行為としての「かわいい」について考える上で何か示唆的ではないだろうか。これらの中に存在する猫たちは、本来的な意味でのかわいさとともに、その行動の人間に対する計り知れなさ、もっと言うなら理不尽さを私たちの前に突きつけている。ここで、行為としての「かわいい」が、不気味なものや見慣れないものになんとか折り合いをつけようとする行為として発せられていることを思い出しておこう。猫の画像や動画が大量にアップロードされること、そしてそれらが「かわいい」ものとして受容されることは、人間自体が種として不気味なものや見慣れないものに晒されながらも、それらと共に生き延びていることをかすかにせよ予感させるものがある。そのような在り方・在りようそれ自体として、櫻井りえこの作品もまた存在している。そう言えば彼女もまた猫好きであった。






























VvK Programm 15 TAKAGI Tomohiro & KIMURA Ryoko curation 髙木智広 & 木村了子キュレーション「neko neko Rieko」京都展 2016年4月23日（土）から5月1日（日） 12:00から18:00 (月曜日休み) 荒木晋太郎 / ARAKI Shintaro 石黒昭 / ISHIGURO Akira 礒谷権太郎 / ISOTANI Kentaro 笠原出 / KASAHARA Izuru 加藤遼子 / KATO Ryoko 鴨下容子 / KAMOSHITA Yoko 木村了子 / KIMURA Ryoko 櫻井りえこ / SAKURAI Rieko 関本幸治 / SEKIMOTO Koji 髙木智広 / TAKAGI Tomohiro 玉野大介 / TAMANO Daisuke　中田いくみ / NAKADA Ikumi 中村協子 / NAKAMURA Kyoko 長沢郁美 / NAGASAWA Ikumi 成瀬ノンノウ / NARUSE Nonnow 藤井健仁 / FUJII Takehito 松山賢 / MATSUYAMA Ken 宮崎勇次郎 / MIYAZAKI Yujiro 湯真藤子 / YUMA Touko 横野健一 / YOKONO Kenichi 吉田和夏 / YOSHIDA Waka
KUNST ARZTでは、VvK（アーティストキュレーション）の15回目として、髙木智広と木村了子キュレーションによる「neko neko Rieko」展を開催します。 2015年7月に画家、櫻井りえこさんが他界されました。本展では、生前彼女と交流のあったアーティスト22人による彼女が愛した猫をテーマにした作品を通して、スピリチュアルな交感の場を作り上げます。ご注目頂ければ幸いです。（KUNSTARZT 岡本光博）
2015年7月、惜しくも38歳の若さで他界された画家　櫻井りえこさんを偲ぶ美術作家たちが集まり、彼女が愛した猫をテーマとした展覧会を開催いたします。櫻井りえこという唯一無二の画家のことをより多くの方に知って頂きたいという思いと共に、作品同士で対話を行い、ここに追悼の意を表したいと思います。猫が好きな方もそうでない方もぜひご高覧頂ければ幸いです。 (髙木智広 & 木村了子)




荒木晋太郎 ARAKI Shintaro くさむらとねこ 2016 パネルにアクリル \ 70,000 装飾的な、空想の生き物を描いています。 1978　長崎県生まれ 2002　東京学芸大学教育学研究科造形美術分野修了　現在、京都を拠点に活動 2012「浮雲のパントマイム」大阪／GALLERY wks. 2012「がらもんず」京都／Spiner's　 2013「がらもんずvol.2」京都／cotoha

石黒昭　 ISHIGURO Akira ヒーロー願望 Desire to be a Hero 2016 Acrylic and urethane on resin not for sale 　自分を強く見せるためのヒーローのマスクは子供の憧れであり、マスクの中は謎に包まれている。一方で社会の権力は時に不都合な真実を隠蔽するためにヒーローを作り出す。表層に覆われた真理とはなにか、を問いかける作品です。 1974　神奈川県横浜市生現在、埼玉県を拠点に活動 2014 「Identity X」　nca \| nichido contemporary art　東京 2013 「Femme Fatale」　Shun Art Gallery　上海 2010 「ISHIGURO-YA」　nca \| nichido contemporary art　東京

礒谷権太郎 ISOTANI Kentaro 2016 A4用紙にインクジェットプリント、額縁　￥ 50,000 each これまで礒谷は即興的な崇拝物ともいえるような彫刻を創作してきた。それらは、私たちが何の変哲もない路を進むことを邪魔する。私たちに冒涜の言葉を吐かせ、口を悪くさせ、他人に向かって中指を立てたり、展覧会場で誰かをひっぱたくように誘惑する。また、映画的／演劇的リアリティが我々の生活に介入し、その敷居を分別不可能なものにする。 1975　鳥取県生 2000　金沢美術工芸大学大学院　彫刻科修了　現在、東京を拠点に活動 2014 “FRANTIC End of The Year Show”, Frantic Gallery,　東京 2014 “2014 FRANTIC UNDERLINES”, Frantic Gallery,　東京 2009 "Keep Smiling! God Loves Idiots! The figures of critical grin in the art of Kentaro Isotani", art project frantic, 東京

笠原出　 KASAHARA Izuru Fluffy Limbo / Chat de Fou 01 2016 キャンバスに油彩、箔　￥ 100,000 1995年頃から「笑い」というそのものの意味や行為、またそこから新たに派生する存在とは？という自分自身への問いかけから作品を制作しています。 1969　静岡県浜松市生 1994　東京藝術大学美術研究科修士課程漆芸専攻修了　現在、横浜市にて制作 2015　「ふわりんぼ」フォーラム・アート・ショップ・ギャラリー　東京 2009　「かくれんぼ」Art Center Ongoing　東京 2001　「FLUFFY FLUFFY」ミヅマアートギャラリー　東京

加藤遼子 KATO Ryoko 彼方の猫 2016 キャンバスにアクリル　￥ 200,000 環境と人の変化について考えながら描いています。 1982　千葉県生 2005　東京工芸大学デザイン科卒　現在、東京、大阪で主に活動 2006　個展「水銀氷山暦」 2008　「カカメ」 2012　「画賊の東京みやげ」等

鴨下容子　　　 KAMOSHITA Yoko 不眠知らず 2016 紙、インク　 \ 50,000 描いているものはすべて風景画です。風景画で人の内側で静かに大きく動くものを抽象的に描いています。観るその時々で観方が変わっていたら良いなと思います。 1982　東京都生 2004　阿佐ヶ谷美術専門学校絵画科卒業　現在、東京を拠点に活動 2009　「望遠鏡と顕微鏡」　unseal contemporary 2011　「目を瞑らずにできること」　unseal contemporary 2015 　DAEGU ARTFAIR　特別交流展示


木村了子 KIMURA Ryoko 上：猫図 - モフらせて Cat boy 2016 和紙に着彩 \ 30,000 下：猫鮫人魚図 2016 和紙に着彩 \ 30,000 伝統的な日本画の技法で「美人画」という古くから親しまれたカテゴリーの逆転的発想により、現代美男子（俗称イケメン）像を、女性目線でファンタジックに描き続けている。 1971 京都生 1997　東京芸術大学大学院修士課程壁画専攻修了　現在、東京を拠点に活動 2014　個展「Beaute Animale de L’Hmme ?花鳥風月美男」（Galerie Vanessa Rau　パリ） 2014　個展「化身 ?Be your animal」（TORAUMARIS 東京） 2014　「仮想のコミュニティ・アジア」黄金町バザール2014 （横浜トリエンナーレ関連企画）



櫻井りえこ SAKURAI Rieko 上：　金魚のぱちんこ　pinball with goldfish 2009 キャンバスに油彩　中： head to head 2010 キャンバスに油彩　下：　 Fu-suke　 2015　キャンバスに油彩　猫のヒゲ作者自身が体感してきた事象を元に、シェイプド・キャンバスの上に無垢さや可愛らしさと、不安や情念や攻撃性を併せ持った少女を描き続けた。 1977　茨城県水戸市生 1999　名古屋芸術大学美術学部絵画科卒業 2007「wandering about in the dusk」ギャラリーアンシール、日本橋 2009「ANIMAMIX」MOCA Taipei、台北、台湾 2011「Future Pass - From Asia to the World」　イタリア、ベネチア


関本幸治 SEKIMOTO Koji 上：モデル歩きする夢遊病の猫 The Catwalking Sleepwalker 2004 Lambda C-type Print 額　シート作品代　￥98,000　+　額装費　\ 12,000　額装込　\ 110,000 下：卓上を彷徨う子猫　Kitty Wanders on the Desktop 2005 Lambda C-type Print 額シート作品代　￥68,400　+　額装費　\ 12,000　額装込　\ 80,400 写真という素材を使って、虚構と事実との微妙な間にある新しい次元を表現。被写体、服や背景を作り、過去の記憶や無意識下に隠された感情を写し撮った作品にします。 1969 神戸生 1992 愛知県立芸術大学修了後渡独　現在横浜にスタジオを構え国内外で制作活動中　 2014 東アジアの夢：Landmark Project V ,BankART Studio NYK,横浜、 2012-13 アジア・セレンディピティ / スペイン・マドリッド / フェルナン・ゴメス劇場他巡回、　 2011 黄金町バザール高架下新スタジオ他、横浜

髙木智広　 TAKAGI Tomohiro Reincarnation　　 2016　キャンバスに油彩 oil on canvas　￥190,000 （額込）自然と人間、生と死、夢と現実、神と悪魔など相反するものの境界を具体化した作品を制作。 1972　岐阜生 1992 武蔵野美術大学　短期大学部美術科卒後渡仏　現在、京都在住　東京、台北などアジアを中心に活動 2012 第１５回岡本太郎現代芸術賞展　川崎市岡本太郎美術館（川崎） 2013 個展「空鳥-NUE-」C-スクエア　中京大学（名古屋） 2015 個展「伊邪那美-IZANAMI-」　ヴァニラ画廊（東京）

玉野大介 TAMANO Daisuke　のら猫　 2016　キャンバスに油彩 sold 文化人類学的な　あるいは文化人類学者が資料を眺め妄想するようなモチーフとの関係を模索している。 1961　大阪生 1985　早稲田大学法学部中退　現在、東京を拠点に活動 2008　市場大介企画「ジャパンパラノイア展」　ルモントアンレア/パリ 2009　個展　unseal contemporary/日本橋 2010 個展　unseal contemporary

中田いくみ NAKADA Ikumi 金目銀目　Odd-eyed　 2016 oil and pencil on paper sold 羞恥や嫌悪を描く時、しばしばこどもの姿を借ります。他者や社会との関わりを考える源流のように思えます。 1982　埼玉県さいたま市生 2007　バンタンデザイン研究所（イラストレーション専攻）卒業現在、東京、台湾　　その他、漫画の寄稿、芸術集団「画賊」などで活動 2014　個展「Goodbye, phantom ‐ さようなら、亡霊ちゃん」台北 ELSA ART GALLERY 2014　個展「In The Toy Box 」ポートランド Hellion Gallery 2015　Shanghai Art Fair Emerging Artists Exhibitionに作品2点が選出

中村協子 NAKAMURA Kyoko ロマネスク・メイド・猫ムスメ 2016　リネンに刺繍、アンティーク額 \ 22,000 （額代込み）既成のイメージを集めて組み直したり並べたりして作品を作ってきました。これからも延々と続くであろう孤独な一人遊びが誰かの心に届くことを願って制作しております。 1974 　宮城県生 2000 京都市立芸術大学美術学部油画専攻卒業現在、関西を拠点に活動 2015 個展　アートスペース虹（京都） 2010 個展　eN arts（京都） 2008 個展　アートスペース虹（京都）


長沢郁美 NAGASAWA Ikumi 上：ねこのワンピース　 2016　キャンバスにアクリル \ 60,000 下：雨だけど外に出よう　 2016　キャンバスにアクリル \ 120,000 日常の中で感じる、小さなもやもや。静かな水面に、一粒の水滴がぽちょんと落ちるような、穏やかなざわざわ感。ささやかで柔らかな気持ち。などについて。 1980 東京生　 2006 女子美術大学大学院美術研究科洋画専攻修了　　現在、東京を拠点に活動 2013 個展「抱きしめてあげる」　office339(上海) 2010 個展「Flutter」　The Foundry Gallery(中国、上海) 2010 個展「I can fly」　東急本店美術画廊

成瀬ノンノウ NARUSE Nonnow 花水木 2016 和紙にアクリル、泥ガッシュ￥60,000 美しいものを記録するために描いています。富山生、川崎在住。関東を主に活動している。 2016 個展「ビ生物」（アートコンプレックスセンター） 2015 神宮前二丁目奇譚第二集「諸国民話」（ペーターズギャラリー） 2014 個展「嵐を待ち侘びて」（アートコンプレックスセンター）

藤井健仁 FUJII Takehito untitled #9 2013 iron \ 54,000 鉄＋人形の組み合わせ。現代美術の枠外にある単なる趣味的制作と映るかもしれない。だがその二つの要素が人類史で入れ替わった新旧社会の中核をなすもの (人形のルーツは呪物、神像等、民俗学的資料) であることを考慮するなら、それこそが素朴な視点といえる。 1967 愛知県名古屋市　生まれ 1990 日本大学芸術学部卒現在、名古屋在住 2005　第八回岡本太郎記念現代芸術大賞展、川崎市岡本太郎美術館 2007　[City_net Asia 2007] 、ソウル市立美術館、韓国 2014 太郎賞の作家2 、川崎市岡本太郎美術館

松山賢 MATSUYAMA Ken いきものカード（ハーイプシィ） / Creature Card (Hi Pussy) 2015 油彩、キャンバス oil on canvas 53.0×45.5cm \ 172,800 「いきものカード」はいろいろな動物のポートレイトのシリーズです。ハーイプシィという猫の着ぐるみ状の動物とプシィを出しているひとのカードです。岩手県生まれ京都市立芸術大学大学院修了　現在、横浜市在住 2014-2015「美少女の美術史」展、青森県立美術館、静岡県立美術館、島根県立石見美術館


宮崎勇次郎 MIYAZAKI Yujiro 上：バームクーヘン　 2016　キャンバスにアクリル　 \ 38,000 下： ICE CAT　 2016 紙に鉛筆　 \ 15,000 現実と虚構の狭間にあるパレレルワールドから、人間と自然の在り方などを問いかける世界を制作。 1977 大分県生 2001　東京造形大学美術Ⅰ類卒業　現在、東京、関東を拠点に活動 2013 ワンダフルマイアート「高橋コレクション展」山梨県河口湖美術館 2015「アートで見る南総里見八犬伝」展　千葉県金谷美術館 2015 おおいたトイレンナーレ　大分県二代目与一

湯真藤子　 YUMA Touko ドジっ子☆メイドだにゃ “ flivver maid cafe ” 2016 pencil drawing ￥100,000 + マット装、額価格￥8,000（税込）私は童話や神話を主軸に制作する事が多々あります。物語には随所に人間の根源的な部分が散りばめられ、抽象的な概念を動物になぞらえて表される事も多く「人間は動物の中の一つである」と再認識します。時にはコミカルに、時には哀愁を、意識下で共感してもらえる様な作品を作れたら良いなと思います。 1973 東京都生 1997 東京芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻修　現在、関東を拠点に活動 2015 個展「かわいそうなねこ」 2015 グループ展「Evolution-2015-」

横野健一 YOKONO Kenichi Three cats 2016 シナベニヤ MDF アクリルペイント \ 350,000 木版画の版木に鮮やかな赤の着彩を施し、視覚だけではなく触覚にも訴える作品を制作しています。 1972 石川県金沢市生 1997 金沢美術工芸大学芸術学専攻卒　現在、石川県金沢市在住 2014 個展「The New Suburbs」マークムーアギャラリー　カルバーシティー 2015 個展「横野健一展世界をポップに!! ポップアート in アメリカ特集展示」　高崎市美術館旧井上房一郎邸　群馬



吉田和夏　 YOSHIDA Waka 緑: 猫に会える夢ピンク: 猫に会える夢黄: 猫に会える夢アクリル絵の具　￥ 22,000each いきものがそれなりに眩しく滑稽にいきる姿を描き、ニセモノの鉱物を作り、披露しています。作る中で、いかに遊べるか探究しています。 1983 岩手県生 2006 埼玉大学教育学部美術専修卒業　現在、Gallery MoMo所属　芸術集団「画賊」の一員として活動 2014 第17回　岡本太郎現代芸術賞（川崎市岡本太郎美術館/神奈川） 2014 個展「strange loop」（Gallery MoMo　Ryogoku/東京） 2015 個展　「汽水域」（Gallery MoMo projects/東京）
アーティスト紹介のテキストは髙木智広による東京展　みうらじろうギャラリー　 http://jiromiuragallery.com/　 2016年　6月1日（水）-7日（火）

絵画の猫――櫻井りえこのために前田裕哉目を大きく見開いた少女が観る者をも威嚇するかのように描かれた、不穏さに満ちた絵――そのようなモティーフとイメージが多くの作品において横溢している櫻井りえこの絵を前にしたとき、観者は絵の中の少女たちが多かれ少なかれデフォルメされた表現で描かれていながら複雑で激しい感情的起伏をともなって描かれていることに、驚きと怖れの念を抱くことになるだろう。彼女の絵の魅力は、このようにデフォルメ化された形象と複雑な感情的起伏の表現という相反する二つの要素が、一枚の絵の中で、どちらの要素もスポイルされることなく、独特な形で両立していることである。そして、いったい何が彼女の作品におけるこの両立を可能にしているのかを考えるとき、私たちは「かわいい」という言葉に行き着くことになるだろう。　「かわいい」という言葉が ――もともとの形容詞としての意味や用法をはるかに超えて―― 現代日本の様々な表現分野におけるある種の潮流を象徴するキーワードのようになり、国外にも広がりつつあると言われ続けて久しいが、そのような語りと相即的な現象として、（主にティーンエイジの）女性たちがこの言葉を、ほとんど濫用と言ってもいいほどに、様々な場面で様々なものに対して使用しているという光景をあげることができるだろう。例えば女子中高生の一団がおもちゃやぬいぐるみなどに対して「かわいい」と言って盛り上がっているのと対照的に、周りの大人たちが彼女たちはあれの何がかわいいのだろうかと疑念を抱くという光景は既に当たり前のものとなっているが、そのような光景において「かわいい」という言葉はある二重性を帯びたものとして使われていると見ることができるだろう。一つはもともとの形容詞としての、もう一つは不気味なものや見慣れないものになんとか折り合いをつけようとする行為に対する符牒＝ある種の動詞としての。そして櫻井りえこの作品において遂行されているのもまた、後者の意味での「かわいい」にほかならない。　ところで、近年のSNSの隆盛もあいまって、画像や動画がコミュニケーションツールとして利用される機会が以前に比べて格段に増えている中、そのように使用される画像や動画において（マンガ的なキャラクターの絵やアニメと並んで）猫が特権的なモティーフの一つとなっていることは、行為としての「かわいい」について考える上で何か示唆的ではないだろうか。これらの中に存在する猫たちは、本来的な意味でのかわいさとともに、その行動の人間に対する計り知れなさ、もっと言うなら理不尽さを私たちの前に突きつけている。ここで、行為としての「かわいい」が、不気味なものや見慣れないものになんとか折り合いをつけようとする行為として発せられていることを思い出しておこう。猫の画像や動画が大量にアップロードされること、そしてそれらが「かわいい」ものとして受容されることは、人間自体が種として不気味なものや見慣れないものに晒されながらも、それらと共に生き延びていることをかすかにせよ予感させるものがある。そのような在り方・在りようそれ自体として、櫻井りえこの作品もまた存在している。そう言えば彼女もまた猫好きであった。