真下 星花 個展
しぼりたてのひとくちめ

MASHIMO Hoshika solo exhibition
Milking for the prime

2018年11月13日(火)から18日(日)
12:00から18:00

KUNST ARZT では、真下星花の初個展を開催します。
真下星花は、「精子」をメインモチーフに、
ポップでインパクトのある表現をするアーテトです。
本展は、ドローイングが示すように、
クマがサケのサイズの「精子」を捕らえ、
銜えるイメージです。
過去に大学の水路を利用して行なった、
巨大な精子を複数放流する試みの発展系であり、
パッチワーク的にポップでカラフルな「クマ」の彫刻との
構成要素として欠けていた、「精子」部分を加え
る完全版でもあります。ご期待ください。
(KUNST ARZT 岡本光博)




展覧会コンセプト

古来より続く人間(日本人)と山などの自然との関係を
探ってみようと思ったとき、たまたま北海道で有名な
木彫りの熊の置き物を目にしました。
そういえば熊と人間は後ろ足で立った時の様子も似ているし、
住処も重なることがよくあるな。それに、人間にとって
熊は強くて恐ろしいはずなのに、キャラクターシンボル
としてのクマさんは幼い頃より身近で不思議と
親しみがあるな。とそんなことを思いました。
 一方そのころ、ちょうどテレビニュースで
「熊やサルや鹿や猪が民家や学内に出没」といった
話題をよく見かけ、私たちは私たちこそが彼らの故郷を
少しずつ搾りとって生活をしているのになあ、
私たちは彼らのことを外敵として悪者にしてしまう。と
申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
 この国は豊富な野山や川とともに、それに応じて
人もほかの生き物も雄と雌したたかに営んできた
悠久であると望みたいのですが、野山は削られ川の流れは
管理され私自身も鉄とコンクリートの中に住んでいます。
 彼らが私たちを襲うように、故郷が私たちを襲う日は
着実に近づいてきているような、でもやっぱり
目先の生活がいちばんですもんね。
 さて、食べ物を手に入れたときおおいに
美味しさを感じるのはひとくちめではないですか?
そして後のことを考えずに食べ過ぎてしまうと
お腹を壊したり、繰り返せばアレルギーになってしまう
こともしばしばあります。小熊たちが具合を悪くしないように
注意して見てあげるのが今回の展示のミッションになります。




やせい

2018
布・稲藁
1800×2200×1200 mm



アーティストステートメント

 私は作品のモチーフにしばしば精子を用います。
そのことに初めて出会ったのは高校2年生のとき、
不妊治療を経て私を身ごもるに至った母親の話を
聞いたのがきっかけでした。そしてエネルギーの塊
である卵をモチーフに制作を進めていましたが、
「精子のほうがたくさん動くし、いっぱいいるし、
役割をして協力もする。よりエネルギーを感じるなあ」
と感じ、何よりその単純なシルエットから生まれる
造形のおもしろさとインパクトに惹かれて
用いるようになりました。
 それらのほとんどは実を結ぶことなく雌雄
それぞれの身体から流れ出ていきます。
こんなにも健気であり私たちの母であり父であるのに、
猥褻なものとして蔑ろにされるのか…。
立体作品としてそれらが面前に現れたときに
どんな印象を受けるのか、そして今回はそれらと
他の対象を掛け合わせたときにどんな効果が
うまれるのか見てみたいと思います。




やせい

2018

600×540×250 mm




ぴゅーたん

2018
布・電動ギミック
520×160×160 mm




朝のいっぱい

2018
布・毛糸・グラス
450×300×130 mm



経歴

1995年、京都府生まれ
京都精華大学大学院 芸術研究科修士課程 
立体造形専攻在籍
展示
2016年『美工進展』堀川御池ギャラリー
2018年『京都精華大学 大学院展』ギャラリーフロール




ちから

2015









やせい
2018
布・稲藁
1800×2200×1200 mm
\ 350,000

朝のいっぱい
2018
布・毛糸・グラス
450×300×130 mm
\ 35,000

ぴゅーたん
2018
布・電動ギミック
520×160×160 mm
\ 15,000