井上 裕加里 個展
INOUE Yukari solo exhibition

Women atone for their sins with death.


2022年7月30日(土)から8月7日(日)
12:00から18:00 月休


KUNST ARZT では、2年ぶり4回目となる
井上裕加里の個展を開催します。
井上裕加里は、現代社会の身近な問題の
バランスを表現するアーティストです。
作品は、タブーを恐れない大胆な表現から
ユーモラスな表現まで多岐にわたります。
滋賀県立美術館の「Soft Territory
かかわりのあわい」展(2021)では、
韓国、日本の高校生を教室でグルーピングさせ、
その状況を映像化した「grouping -Japan,Korea- (2021)」、
ゆずり合う気持ちが無ければ悲劇しか起こらない
「こうさするこうえん - Crossing park -(2021)」を発表しました。
本展では、アーティスト自身がイランで
ヒジャブを纏う行為などを通して、
ジェンダーについて考察、表現します。
 (KUNST ARZT 岡本光博)



展覧会コンセプト

我々は、なぜ差別をしてしまうのだろうか。
社会的カテゴリに起因する差別や偏見、
いけないと分かっていながらも無意識的に行ってしまい、
自身が悪意の無い差別主義者になることもある。
韓国では、このような諺があるそうだ。
”何気なく投げた小石にカエルは打たれて死ぬ”
何気なく放たれた些細な一言であっても、
誰かにとっては大きな傷になり得るという例えだ。
投げられる小石をいつか無くす事はできるのだろうか。
私は、小石の正体を探ることで、
差別の本質に迫りたいと考えている。



PRESS RELEASE



INOUE Yukari (b.1991, Hiroshima pref,
lives and works in Kansai) is an artist
who expresses the balance of social issues.
Her works range from bold expressions that
do not fear taboos to humorous expressions.
She graduated from the contemporary art course
at Seian University of Art and design.




Let's take off your sally like me!
2022
映像 4’12”




Case Pakistan -3 “named as Bazeegha,
Sereen Jan, Begum Jan and Amina”
2022
フォトアクリル
Photo on acrylic plate
515×728×15mm

彼女たちの名前は、オマー・カーン、サビール、サヒール。
パキスタンのコヒスタン地方に住んでいた女性たちである。
彼女たちは、2011年、親族の結婚式に出席していた。
夫婦を祝福するため、彼女たちは新郎のダンスに
合わせて拍手をし、歌を歌い、踊りを踊っていた。
しかし、パキスタンでは結婚式では男女を
隔離すべきとする厳格な慣習があり、
それに逆らった彼女たちを恥じた家族が
”家族の名誉を守るため”に彼女たちを殺害した。
出典:https://www.afpbb.com/articles/-/3243465
出典:https://www.bbc.com/news/world-asia-49592540




Case Iran-2 “Romina Ashrafi”
2022
フォトアクリル
Photo on acrylic plate
515×728×15mm

彼女の名前は、ロミーナ・アシュラフィ。
イランのギーラーン州に住んでいた14歳の少女である。
ロミーナには、好きな人がいた。
34歳のボーイフレンドのカヴァリである。
2人には20歳の年の差があったが、
ロミーナはカヴァリと結婚したいという願望があった。
(イランでは、女性は13歳になると結婚できる)
ロミーナはその思いを父親のアシュラフィに伝えたが、
アシュラフィは結婚に猛反対し、
ロミーナに脅迫と虐待を行うようになった。
ロミーナはアシュラフィの暴力から逃れるために
カヴァリと共に家から逃げ出したが、
アシュラフィが警察に苦情を申し立てた為、
2人は警察に拘留され、ロミーナは家に戻された。
その後、アシュラフィはロミーナが社会的規範を
破ったという理由から、ロミーナが眠っている際に
農業用鎌を持ち出し、ロミーナを斬首した。
https://news.nicovideo.jp/watch/nw7343222




Case Pakistan -1 after “Qandeel Baloch”
2022
500×400×400mm
中東バービー人形 fullaほか
Middle East Barbie doll fulla and others




Asian kitchen -Iran and Japan-
2022
2チャンネル映像 4’49”




Amulet for women -Iran and Okinawa-
2022
フォトパネル
297×420mm




Gender stereotype-1
2022
シルクスクリーン
435×360mm
ed.9





個展「Women atone for their sins with death.」
展示風景
2022




他国の昭和を巡る
2019
フレーム入り写真、テキスト




平和の種をまく人/The Sower
2019
映像(1分32秒ループ),38度線の草




幾度も滅せされる人々
2019
映像

在日韓国人被爆者の肖像にサイアノタイプインク
肖像使用許可書
協力:韓国原爆資料館 吉田千代子さま



以上、個展 「線が引かれたあと」展示風景 2019



京都新聞 2019年8月3日 平田剛志さんによる展評



アーティスト・ステートメント

「“答え”は目の前にあり、見えていないのは“問い”である。」
私は、現代社会の身近な問題を主題に作品を制作する事で、
社会に潜在するその”問い”を探そうとしている。

"The answers are right in front of us,
but we haven't been able to find the questions."
I myself, by creating works on the theme of problems
familiar to modern society, am looking to find
"the questions" latent in our society.




以上、個展「confidential information」2015年 より




it's a small world
2013
dvd

協力:
石田光亜
Rina Yamanaka
ギャラリー知

韓国の血を引く女の子と日本の女の子に
アーティストの設定したゲームをしてもらう映像作品。




grouping
2013
dvd

協力:
福山並木学院高等学校
平松省治先生



以上、個展 「it's a small world」 2013年より



経歴

1991  広島生まれ
2012  倉敷市立短期大学 服飾美術学科 卒業
2014  成安造形大学 芸術学部芸術学科
美術領域現代アートコース 卒業

個展
2019 線が引かれたあと (Kunst ARZT/京都)
2017 堆積する空気(Gallery PARC/京都)
2015 井上裕加里展 (CAS/大阪)
2015 confidential information (Kunst ARZT/京都)
2013 It's a small world (Kunst ARZT/京都)

グループ展
2021  Soft Territory かかわりのあわい
(滋賀県立美術館/滋賀)
2020 Kyoto Art for Tomorrow 2020
―京都府新鋭選抜展―(京都文化博物館)
2019 Parallax Trading
(das weisse haus / Vienna, Austria )
2019 Kyoto Art for Tomorrow 2019
―京都府新鋭選抜展―(京都文化博物館)
2018 日韓交流展「韓日藝術通信 part 3」
 (ART SPACE SAGA/京都)
2018 ーどのような問いー
(清州市立美術館別館1/韓国 清州市)
2017 日韓交流展「韓日藝術通信 part 2」
 (チョンジュ森中GALLERY/韓国チョンジュ市)
2017 京都府アーティスト・イン・レジデンス事業
「京都:Re-Search」 大京都 in舞鶴 (聚幸菴/京都)
2016 パイロットプラント展「赤」(CAS/大阪)
2016 日韓交流展「韓日藝術通信」
 (ART SPACE SAGA/京都)
2015 timelake-時間の湖− (新風館/京都)
2014 成安造形大学卒業制作展
(京都市美術館/京都)
2014 日韓交流展CARRY MORE
 (韓国電力アートセンターギャラリー/韓国ソウル)
2013 成安造形大学卒業・進級制作展 
(京都市美術館/京都)
2013 日韓交流展 add me!
 (海岸通りギャラリーCASO/大阪)
2013 「ここはどこか、あるいは何か」
(越山計画/札幌)

受賞

2021平和堂財団芸術奨励賞 美術部門
2020 ゲーテ・インスティトゥート ・ヴィラ鴨川国際交流賞
(Kyoto Art for Tomorrow 2020―京都府新鋭選抜展― )
2019 ゲーテ・インスティトゥート ・ヴィラ鴨川国際交流賞
(Kyoto Art for Tomorrow 2019―京都府新鋭選抜展― )




marginal woman -境界人-
2018-2019
2面映像(7分15秒)、冊子
映像:\ 80,000 ed.10
(動画、冊子込み)
冊子:\ 2,000 ed.100



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